あおいちゃん！！！（再び）

長雨から一転、太平洋高気圧が頑張り過ぎちゃった8月。狩狩も3周年を迎えてネタ書きも頑張っちゃったのか、終盤で大量更新が相次いだそんな8月のMFN。

二枚舌足らず
飼育から移転してきたというスレ。一番最初の「夏の食生活」というネタで即座に引き込まれてしまった。
ネタスレにはそれぞれのネタあるいはスレ自体が持つ空気のようなものがあるけど、このスレはとりわけ独特な、そしてかなりの強度の雰囲気を持っている。
かっちりとした話の筋を追うと言うよりは、流れの中に挟み込まれるちょっとした言葉のやりとりや、文章の中に織り交ぜられたシンプルだけど効果的なAAなど、細かい部分が生み出す全体としての雰囲気が楽しいネタだなぁと思う。
形式や受ける印象はまったく違うけど、雰囲気に魅せられるという意味では、このブログでも何度か言及している「やすしばり」と共通する部分があるんじゃないかな。そして、そのようにギャグや筋書きの面白さだけではなく、文章としての面白みやそこから生み出される雰囲気としての味わいを持っているネタはありそうでなかなか少ない。
どこか筒井康隆のようでもあり、清水義範のようでもあり、内田百間のようでもあるなぁと思った。何度も読み返したくなる、そして事実何度か読み返してしまった素敵なネタスレ。

狩狩住人でVIP列島やろうぜ！ Part１
矢口とののさんを使ったやりとりを書くと、ほとんどの場合、矢口＝ツッコミ／ののさん＝ボケになると思う。
ところが、このネタはツッコミを一切排してただ淡々と飄々と進んでおり、それが無性に面白い。524の「５．犬」「犬です」には声出してﾜﾛﾀ。
また、このネタだけに限らず、このスレに上がっている一連のシリーズの特徴として、AAが表情に至るまで終始ほとんど変化しないという点がある。普通、同じAAを使い続けると単調になりがちだけど、この場合はそれが逆に功を奏しているように思う。もちろん、（AAを変化させないに耐えうる）適切な長さをとっているということもあるだろう。

陰と陽　残暑への怪談？
このMFNは、「自分が気に入った（好きな）ネタを紹介する」という趣旨のもとに書いているわけだが、このネタが好きかどうかと問われると、はっきり「好きだ」とは断言できない。
だってさー、AAが上手すぎるんだもん。ずるい！嫉妬しちゃう！でも大好き！
まあ中の人はもともとAAが上手いんだけど、このネタは特にその技術が遺憾なく発揮されているように思う。292-293なんか笑っちゃうよね。AAのなかでも難しいとされる「動き」をこうも見事に表現されると、もう笑うしかない。
というわけで、好感と感歎と羨望と嫉妬と尊敬がない交ぜになったような複雑な感情を抱かせるネタ。そしてドロドロの愛憎劇が始まる（嘘）。

ロード・オブ・ザ・ウェディング
これを取り上げるのは少々反則のような気もするけど、何しろ14-17のハプニング、そして18の処理に大爆笑したので。これはどうしたって笑っちゃうだろ。狙って出来ることではないし。
本来であれば文字化けなんてない方がいいに決まってるし、中の人にしてみればミスということになるのかもしれない。
しかし、そのミスすらもネタの一部ではないかと思わせてしまう力がこのネタにはある。つまり、本編が十二分におもしろいということ。言葉のセンス、小ネタの発想、どれも突き抜けていて、やはり凄いなぁと思う。