早実エース・斎藤の陰に塚田という一人のおもしろ控え投手がいたことを僕は忘れない。

今さらながら、壮絶な決勝戦で幕を閉じた第88回全国高等学校野球選手権の話題。
狩狩には高校野球好きの人がちらほらいるようだけど、自分もその一人。毎年地方大会から楽しみにしている。

高校野球の面白さは、プロ野球のそれとはまた違ったところにある。高校野球が好きな人は、その技術や戦略を見て面白いと言っているのではないと思う。
単純にそれらの面だけで評価すれば、高校野球なんて見られたものではない。松坂大輔のように、プロでもすぐに通用するレベルの選手が現れることもごく稀にはあるけど、大多数の選手はいくら「怪物」「高校No.1右腕」などと言われようとも、プロのレベルから見れば技術的にはやはり劣る。

それにもかかわらず高校野球に魅せられるのは、一度敗れたら終わりというシステムがもたらすプレッシャーから生まれる数々のドラマに面白さを感じるからだろう。
高校生は技術面と同様、精神面もまだまだ脆いので、ちょっとしたことで簡単に試合の流れが変わる。ノっていることや動揺していることが目に見えて分かる。だから、５点程度ではセーフティリードとは言えないし、考えられないようなエラーもよく見られる。番狂わせもよく起こる。
こうした圧倒的なドラマ性と人間臭さが、高校野球の魅力の根底にあると思う。

で、しばしば思うのは、これってモーニング娘。にも通じるものがあるよなぁということ。
モーニング娘。も単純にルックスで勝負するなら、もっと美人のモデルさんや可愛い女優さんはたくさんいるし、歌や踊りも特にびっくりするほど上手いわけではない。トークなどはもはやダメダメ過ぎて時にイラッとすることすらあるレベル。

それでもモーニング娘。を追いかけ続けてしまうのには、やはり一人一人の個性や人間関係といった部分が大きく作用していると思う。
もちろんそれはどこかで構成されたものではあるし、実際のメンバーの性格や関係とは大きくかけ離れた幻であることは重々承知しているけれども、やはりモーニング娘。の魅力を考える上でそうした副次的な部分が重要なウェイトを占めていることは否定できないだろう。

ところで、全然違う話になるけど、少し前の「ハロプロやねん！」というラジオ番組で、カントリー娘。のみうなが高校時代にチアガールをやっていたという話をしていた。
調べてみると、みうなの通っていた高校は静岡の野球強豪校・常葉学園菊川高校らしいので、さもありなんと思った。もしかしたら甲子園でパンチラしつつ踊るみうなが見られていたかもしれないんだなぁ。

最後に。エヌブログの方でエヌさんが選んだ今年の大会のベスト11が発表されていたので、ここでは個人的ベストマッチを挙げてみようと思う。全部は見てないけど別にいいよね。

南陽工−駒大苫小牧
駒苫・田中の不調もあったけど、虐殺になるんじゃないかという予想を覆して優勝候補筆頭に善戦した南陽工は決して弱いチームではなかったと思う。健闘を讃えたい。

桐生一−佐賀商
基本に忠実なとても高校野球らしい試合だった。両校とも安打をきっちり得点に結びつけていて、戦術的にも良い試合だったと思う。

仙台育英−日大山形
この試合は日大山形のレフト・庄司君に尽きる。スーパーキャッチと捕殺、どちらも勝利に大きく貢献する素晴らしいプレーだった。

熊本工−天理
非常に手に汗握る面白い試合。勝負を分けたポイントがスクイズの失敗というのも高校野球らしい。

日大山形−今治西
馬鹿試合と言ってしまえばそれまでだけど、これもある意味高校野球らしい試合。延長13回ウラ、ピンチに追い込まれた今治西の投手の動揺が如実に見て取れたのが印象的。

駒大苫小牧−早実
駒大苫小牧−早実（再試合）
高校野球史に残るであろう決勝戦。投手戦と言うよりは貧打戦だったような気もするけど、それでも高校野球が持つべきドラマ性のすべてが凝縮されていた面白い試合だったと思う。個人的には早実の捕手・白川を讃えたい。